大分の観光地、湯布院。
その背後に立つのは双耳峰の由布岳です。

標高は1,650m程ですが、独立峰で風当たりが強いです。
そして湯布市街から山を挟んで反対側の塚原集落からの由布岳

明るい南面とは打って変わった様相を見せます。
その雪の付いた沢筋が大崩沢。
沢の左右、上部、全て崩落地で、近年では常に落石に悩まされる為、降り積もった雪が凍結するタイミングで突っ込みます。
今回もA東さんとの山行、東登山口で前夜祭です。

翌朝は案の定、寝坊して8時出発。砂防ダムの作業道を詰めます。

遅れを取り戻すためどんどん高度を稼ぎます。鶴見連山と大分自動車道が見えます。

やがて関門に達します。雰囲気が出てきました。

私の携帯はここで電池切れ、後はA東さんのカメラに任せます。
最初の埋まった滝を超えます。既に大変な傾斜です。

前方に核心となった壁が見えます。

ザックを下ろして、チャレンジしましたが、4メートル登って落ちました!!
衝撃で、ピレイヤーのアンカーのカムも外れ、4メートル雪面を滑って止まり、ピレイヤーも2メートル流されて倒れていました。
「大丈夫か?」と声を掛けられましたが、暫くは痛くて起き上がれず。
ここで左下にある側壁に転針を決めました。右側に越えられなかった正面壁

側壁です。、これも右足を痛めた私には厳しく、A東さんにザックを下ろしてリードしてもらいました。
結果的に私たちには、フリーでは手も足も出ない壁で、断続的に落ちてくるスノーシャワーの中でしたが、A東さんの冴え渡る人工技術(ハーケン連打)で遂に突破です。

ここより上は劔岳の長次郎のようなルンゼをラッセルで登攀。

何だか凄い吹雪いて来ました。ゴーグルを持たなかったので、顔を上げられず、前も見えず、全然ラッセルが進みません。

やっとこさ悪い雪壁を越えて崩壊地の原頭部に達しました。

ロープを収納して時間は既に18時を回り、ピバーグを決断して翌日下山しました。
A東さんお世話になりました。ピバーグでの焼鳥、ウィスキーと日本酒は、飲めない私でも最高でした。
また計画的ピバークやりましょう。