・まるで宝石箱の様なゴルジュ!!
・沢登りと言うよりケイビング!!
・間違いなく鈴鹿山脈最難関だ!!
滝洞谷を調べていると、トポやレポートにまるで映画雑誌のキャッチコピーの様な
そそる表現が数多く書かれています。
私もそそられてしまった一人。
こんにちは、沢大好きseitarouです。腱鞘炎は順調に治ってきております。
そんな訳でまたしてもHAくんと沢に出かけました。
場所は表題の通り、以前からずっと行きたいと思っていた滝洞谷。
墓場に車を止め(これ本当)爽やかな川原を樹林帯へ向かって歩を進めると
突然の様に、細く押し迫る切り立ったゴルジュが現れます。

当たりは急に薄暗くなり、強い自然、怖い自然の空気がしっかりあります。
入るとすぐにチョックストーン3M。

独特の雰囲気を持った狭いゴルジュで、石灰岩というだけでもフリクションが良くない所に、水流でつるつるに磨かれ、そこにヌメりのある苔が生えているという素晴らしい悪条件。
3M程の滝を幾つか超えた後、第一の核心が目の前に。

洞窟ゴルジュという名前の付いた滝。
この岩面をトラバースします。驚いた事に無数のアイゼン痕がみられます。

高さ長さ共に5M位でしょうか。

フリーで抜けてやる!!とイキがっていましたが、あっさりエイド。。。
しかも抜けた後に振り返ると、この距離で7個のプロテクション!!

どれだけ小心なんだか・・・。独特の谷の雰囲気に完全にのまれてます。
滝の落口が特に悪く、フリクションは皆無。
バイルにつかまりながら足をバタバタさせてみっともなく通過(笑)
次はV2ボルダーと名前が付いたCS3M

あらかじめ予習をしており、ヒールフックであっさり抜けれると知っておりました。
抜けると急に開けたゴーロ帯となる。

その後、また高い両岸が迫って細くなり、2M~5M程度の滝が続く。

とにかくフリクションが甘く、2M程度のこんな小さな滝ですら手掛かりがつかめず、バイルやアブミを使う始末。
動物の腐乱臭がしてきたな。と思うとモグラの新しい死骸。
そこから少し先に滑り落ちたのか、首の骨が折れた鹿の死骸。これも新しい。
そしてその先に現れたのは第2の核心。井戸底ゴルジュ(8M)

ほとんどの場合、枯れ谷と聞いていましたが水が流れていて立派なシャワークライムです。
少し怯みましたが取り付いてみるとフリクションが良く、快適なクライミング。

抜けて一安心したすぐ、次の滝が辛かった。
7Mスラブ状の滝。水が流れていてしかもフリクションが甘い。

プロテクションも取りづらく、プレッシャーあります。
今回、この遡行通してプロテクションにはエイリアンカムの小さいサイズが大活躍。

なんとか上部でアブミをかけて突破。
その後も遡行者を飽きさせず、次々に短いピッチで滝が現れる。

相変わらずフリクションは悪いが、厳しくも美しいゴルジュ。

真に宝石箱。
いよいよ表れました。最後の核心。迷路ゴルジュ。

ここは滝芯を行かず(行けず。。。)左側から意外と快適に登れました。
2ピッチ目。ウォータースライダーの様なゴルジュ。

もちろん滑ると・・・良くて先程の滝に宙吊り。。。
最後は垂直の滑り台。

抜けるとすぐ深い釜をもった小滝。

宝石箱のゴルジュ帯はこれで終了。
あとは何の変哲も無い沢を詰めていき

茶野の山頂へ

ここで雨が降り出し、時間も16時を回っていたのでそのまま下山。
地形図上にある廃道になった道をなぞりましたが、踏み跡は皆無に等しく
雨でぬかるんだ急斜面の山腹下りでは、何度か滑って尻餅。
もうドロドロ。。。。
送電線付近から明確な杣道が表れましたが、今度はヒルがお出迎え。
バイルやアブミを駆使して登り。泳ぎも有る。ボルダー的なクライミングも有り、プロテクションも試行錯誤。
下山も悪く、地図読みに慣れてないとスムーズな下山は許してくれなさそう。
山を登る者としてあらゆる能力を試される、素晴らしい谷でした。
下山後は、ここは1年に一回でいいね。なんて言ってましたが
レポートを書いていると、また行きたくなってきました。
HAくんまたよろしくね。付き合ってくれてありがとう。